Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
関尾 佳弘; 坂口 紀史*
Materials Transactions, 60(5), p.678 - 687, 2019/05
被引用回数:5 パーセンタイル:29.02(Materials Science, Multidisciplinary)Fe-Cr-Ni系モデル合金(高Ni合金)における照射点欠陥(空格子)の移動エネルギーの定量評価を中性子及び電子線照射下でランダム粒界近傍に形成されるボイド欠乏帯の幅の解析により実施した。具体的には、まずはじめに749Kで中性子照射されたFe-15Cr-xNi (x=15, 20, 25, 30mass%)モデル合金の微細構造を調査し、これに加え、576K-824Kの温度の電子線照射により形成されたボイド欠乏帯幅を調査した。両試験の結果、ボイド欠乏帯幅はNi濃度の増加とともに増加し、空格子の易動度が増加していることが示唆された。そこで、電子線照射試験で得られたVDZ幅の温度依存性から空格子移動エネルギーを求め、15Ni, 20Ni, 25Ni, 30Niのエネルギーはそれぞれ1.09eV, 0.97eV, 0.90eV, 0.77eVと評価された。得られた移動エネルギーを用いて、有効空格子拡散係数及び余剰空格子濃度を反応速度論式から求めた結果、Ni濃度の増加に伴い空格子の易動度が増加することを定量的に確認することができた。
柴田 優一*; 今泉 充*; 佐藤 真一郎; 大島 武; 大岡 幸代*; 高本 達也*
Proceedings of 11th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Applications (RASEDA-11) (Internet), p.65 - 68, 2015/11
次期の高効率薄膜宇宙用太陽電池として逆積み格子不整合型(IMM)三接合太陽電池の開発が進められている。最近、IMM三接合太陽電池に関して、放射線により劣化した特性が光照射により回復する現象が見いだされたが、その詳細は明らかになっていない。そこで、1MeV電子線を310 e/cm照射することで劣化させたIMM三接合太陽電池の光照射回復現象を調べた。その結果、3時間の光照射(AM0、1sun)によって開放電圧が43mV回復することが判明した。また、太陽電池中に残留する欠陥について調べるためにエレクトロルミネセンス測定したところ、InGaP, GaAs, InGaAsの三層のうち、InGaPトップセルのエレクトロルミネセンス強度が光照射後に増加していることがわかった。このことから、光照射による回復は、InGaPトップセル中の欠陥が回復したことに起因することが明らかとなった。
宮澤 優*; 池上 和志*; 宮坂 力*; 大島 武; 今泉 充*; 廣瀬 和之*
Proceedings of 42nd IEEE Photovoltaic Specialists Conference (PVSC-42) (CD-ROM), p.1178 - 1181, 2015/06
In order to clarify the possibility of perovskite solar cells as space applications, their radiation response was evaluated. Perovskite solar cells fabricated on quartz substrates were irradiated with 1 MeV electrons up to 110 /cm. As a result, the degradation of their characteristics such as short circuit current, open circuit voltage and maximum power was very small and some solar cells did not show any degradation after 1 MeV electron irradiation at 110 /cm. This indicates that perovskite solar cells have superior radiation tolerance and are a promising candidate for space applications.
山下 真一*; 岩松 和宏; 前橋 佑樹*; 田口 光正; 端 邦樹; 室屋 裕佐*; 勝村 庸介*
RSC Advances (Internet), 5(33), p.25877 - 25886, 2015/02
被引用回数:12 パーセンタイル:38(Chemistry, Multidisciplinary)ブロマイド(Br)は水酸化(OH)ラジカルと反応して分子吸光係数の大きな中間体を生じるため、放射線誘起水中OHラジカルの反応プローブとして使われてきた。放射線照射後ナノ秒領域のOHラジカルの挙動を解明するためにはBrの濃度を高くする必要があるものの、高濃度のBrとOHラジカルの反応機構は不明であった。NOおよびArで飽和した0.9-900mMのNaBr水溶液へのパルス電子線照射によって生じたOHラジカルとBrの反応中間体の時間挙動を光吸収により計測した。BrはOHラジカルと反応してBrOH、さらにBrを生じる。異なる実験条件で得られたBrOHやBrのタイムプロファイルに対して、既報の反応速度式、速度定数を用いたスパーモデルシミュレーションを行った結果、10mM以上の高濃度条件では、2BrOHBr + 2OHの反応(反応度度定数: k=3.810 Ms)を新たに考慮することで実験結果をよく再現できることを明らかにした。
Son, N. T.*; 梅田 享英*; 磯谷 順一*; Gali, A.*; Bockstedte, M.*; Magnusson, B.*; Ellison, A.*; 森下 憲雄; 大島 武; 伊藤 久義; et al.
Physica B; Condensed Matter, 376-377, p.334 - 337, 2006/04
被引用回数:3 パーセンタイル:17.99(Physics, Condensed Matter)六方晶炭化ケイ素(4H-SiC)の固有欠陥解明研究の一環として、P6/P7とラベル付けされた格子欠陥(センター)を電子常磁性共鳴(EPR)法及び理論計算(ab initio)法を用いて調べた。室温または850Cでの3MeV電子線照射により4H-SiC中にP6/P7センターを導入し、EPR測定を行った結果、P6/P7センターの近接炭素及びシリコン原子の超微細相互作用定数が電気的に中性の複空孔(VV)に対する計算値と非常によく一致することがわかった。これにより、正に帯電した炭素空孔と炭素アンチサイト対の光励起三重項状態(VC)と従来考えられていたP6/P7センターが、C/C対称性を有するVVの三重基底状態に起因すると結論できた。
松浦 秀治*; 鏡原 聡*; 伊藤 祐司*; 大島 武; 伊藤 久義
Physica B; Condensed Matter, 376-377, p.342 - 345, 2006/04
被引用回数:8 パーセンタイル:38.44(Physics, Condensed Matter)炭化ケイ素(SiC)半導体中の欠陥制御研究の一環として、p型4H-SiC中の欠陥とAlアクセプタ不純物の電気的活性化の関係を調べた。加速エネルギー200keV及び4.6MeVの電子線照射によりSiCへの欠陥導入を行った。200keVはSiC中のC原子のみがはじき出されるエネルギーであり、4.6MeVはSi, C, Al原子ともにはじき出される条件に相当する。Alアクセプタの電気的活性化に関してはHall係数の温度依存性を測定することで調べた。その結果、200keV電子線照射では、200meVの活性化エネルギーを持つAlアクセプタ濃度が減少し、それに対応して350meVの深い準位が増加することがわかった。一方、4.6MeV電子線照射では、正孔濃度が急激に減少して、Alアクセプタ濃度が一桁減少し、同時に350meVの深い準位も減少した。以上より、200keV電子線ではC空孔(V)が形成され、そのVとAlアクセプタが結合することでV-Al複合欠陥となり、200meVの浅いAlアクセプタが減少すると考えられる。また、350meVの深いアクセプタ準位がV-Al複合欠陥に起因し、200keV電子線照射では増加すると推察される。一方、4.6MeV電子線照射では、全ての構成元素がはじき出されるため、新たな欠陥生成により正孔濃度(200meV, 350meVの準位)が減少すると解釈できる。
松浦 秀治*; 鏡原 聡*; 伊藤 祐司*; 大島 武; 伊藤 久義
Microelectronic Engineering, 83(1), p.17 - 19, 2006/01
被引用回数:3 パーセンタイル:24.47(Engineering, Electrical & Electronic)六方晶炭化ケイ素(4H-SiC)中のアルミニウム(Al)アクセプタ不純物の電気的な性質を明らかにするために、電子線照射した4H-SiCの正孔濃度を調べた。電子線照射はSiC中の炭素原子(C)のみをはじき出すことができる200keVと、シリコン(Si), C、及びAl全ての原子をはじき出す4.6MeVのエネルギーを用いて行った。その結果、200keV電子線照射では正孔濃度が減少し、それに対応するようにAlに関連する深い準位(活性化エネルギー:350meV)が増加した。このことより、200keV電子線照射によりAlアクセプタに隣接するC原子がはじき出されAl-Vのような複合欠陥が形成されることでAlアクセプタ濃度が減少する機構と、350eV付近の深い準位はAl-Vの複合欠陥に由来することが示唆された。一方、4.6MeV電子線照射では、正孔濃度は激減し、350meVの深い準位も若干の減少を示した。このことから、Si, C, Al原子を全てはじき出す高エネルギー電子線照射では、新たな欠陥が形成されて、正孔濃度が減少するとが考えられる。
Pensl, G.*; Ciobanu, F.*; Frank, T.*; Kirmse, D.*; Krieger, M.*; Reshanov, S.*; Schmid, F.*; Weidner, M.*; 大島 武; 伊藤 久義; et al.
Microelectronic Engineering, 83(1), p.146 - 149, 2006/01
被引用回数:15 パーセンタイル:59.32(Engineering, Electrical & Electronic)SiC中の欠陥を制御することで素子特性の改善に役立てることを目的に、炭化ケイ素(SiC)中及びSiC/酸化膜界面の欠陥の電気的性質を調べた。SiCへの欠陥導入には200keV及び2MeV電子線照射,窒素及び炭素イオン注入を行った。深部欠陥準位測定(DLTS)及び低温でのフォトルミネッセンス(LTPL)により欠陥を調べた結果、炭素原子のみをはじき出す200keV電子線照射では、全原子をはじき出す2MeV電子線照射とは異なる欠陥準位が観測された。また、SiC/酸化膜界面への窒素イオン注入により界面欠陥(界面準位)が観測限界以下の10/cmeVまで減少することを見いだした。
梅田 享英*; Son, N. T.*; 磯谷 順一*; 森下 憲雄; 大島 武; 伊藤 久義; Janzn, E.*
Materials Science Forum, 527-529, p.543 - 546, 2006/00
六方晶炭化ケイ素(4-SiC)中の欠陥センターである5を電子常磁性共鳴(EPR)法を用いて調べた。従来、5は高抵抗4-SiC基板中に存在することが知られていたが、低濃度であるため解析が難しく、欠陥構造の同定がなされていなかったが、本研究では、800Cでの高温で電子線(3MeV)を照射することで大量の5を導入できることを見いだし、その構造同定を試みた。試料にはn型の4-SiCを用い、800Cにて3MeV電子線を110/cm照射し5を導入した。100Kにて5の超微細構造を詳細に調べることで、5が、負に帯電した炭素空孔(V)とシリコンサイトを置換した炭素(C)の複合欠陥(V-C)であることを決定した。さらに、5の構造が55K以下ではC対称からC対称となることを明らかにした。
Son, N. T.*; 梅田 享英*; 磯谷 順一*; Gali, A.*; Bockstedte, M.*; Magnusson, B.*; Ellison, A.*; 森下 憲雄; 大島 武; 伊藤 久義; et al.
Materials Science Forum, 527-529, p.527 - 530, 2006/00
電子常磁性共鳴(EPR)を用いて六方晶炭化ケイ素(4H-, 6H-SiC)中の欠陥センターであるP6/P7の構造同定を行った。試料はn型,p型の4H-及び6H-SiC及び高品質半絶縁4H-SiCを用いた。室温または850Cでの3MeV電子線照射(210110/cm)によりP6/P7センターを導入した。低温(8K及び77K)でのC及びSiの超微細相互作用を調べた結果、P6及びP7センターは、それぞれ、結晶のC軸に垂直または平行なシリコン空孔(V)と炭素空孔(V)の複空孔(V-V)であると決定できた。
河裾 厚男; 吉川 正人; 伊藤 久義; 千葉 利信*; 樋口 高年*; 別役 潔*; Redmann, F.*; Krause-Rehberg, R.*
Physical Review B, 72(4), p.045204_1 - 045204_6, 2005/07
被引用回数:16 パーセンタイル:55.78(Materials Science, Multidisciplinary)孤立シリコン空孔が主たる陽電子捕獲中心である電子線照射された3C-SiCに対して、陽電子消滅二次元角相関と同時計数ドップラー拡がり測定が行われた。電子線照射によって、同時計数ドップラー拡がり曲線の変化が見いだされ、これが孤立シリコン空孔を考慮した第一原理計算によって再現できることが明らかになった。電子線照射後、二次元角相関はより等方的になったが、ジョーンズ(第二ブリルアン)領域に広がる異方性は依然残留することがわかった。このことは、これまでの電子スピン共鳴によって提案されていたように孤立シリコン空孔が四面体対象性を持つことを支持している。
片貝 秋雄; 玉田 正男; 永本 浩之*; 宮川 博*
日本イオン交換学会誌, 16(2), p.122 - 126, 2005/05
アクリロニトリルとメタクリル酸との放射線共グラフト重合法及びグラフト鎖中のシアノ基のアミドキシム基への変換によって、キレート形成基としてアミドキシム基を持つキレート繊維を作製した。放射線共グラフト重合法でのモノマーを繰り返し使用して、グラフト鎖の組成及び重金属イオン吸着容量に及ぼす効果を調べた。共グラフト重合で生じるホモポリマーの量が0.15g/Lと無視できるほど少ないために、4回モノマーを繰り返し使用しても共グラフト率の低下は初回の170%に比べて10%程度であった。アミドキシム基密度,亜鉛及びカドミウムの吸着容量への影響は小さかった。4回モノマーを繰り返し使用することにより、50%コストダウンすることができた。
河裾 厚男; 千葉 利信*; 樋口 高年*
Physical Review B, 71(19), p.193204_1 - 193204_4, 2005/05
被引用回数:15 パーセンタイル:53.97(Materials Science, Multidisciplinary)2MeV電子線照射した6-SiCを1000Cでアニールした後に残留する原子空孔に付随する電子-陽電子運動量分布を陽電子消滅角相関測定により研究した。その結果、上の原子空孔がc軸に沿った不対電子とc軸周りの対称性を持つことが明らかになった。第一原理計算から、得られた電子運動量分布は孤立炭素空孔,孤立シリコン空孔のいずれのモデルでも説明できないが、炭素空孔-炭素アンチサイト対、又はシリコン空孔-窒素不純物対を考慮することで再現できることが明らかになった。
木下 明将*; 岩見 基弘*; 小林 健一*; 中野 逸夫*; 田中 礼三郎*; 神谷 富裕; 大井 暁彦; 大島 武; 福島 靖孝*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 541(1-2), p.213 - 220, 2005/04
被引用回数:27 パーセンタイル:84.86(Instruments & Instrumentation)高エネルギー物理の実験で使用可能な炭化ケイ素(SiC)ダイオードを用いた耐放射線性のアルファ線検出器の開発を目的に、六方晶6H-SiC上に作製したpnダイオードへ線照射及び電子線照射を行い電荷収集の変化を調べた。pnダイオードは、p型6H-SiCエピタキシャル膜にリンイオン注入(800C)後、熱処理(1650C,3分間、Ar中)することでn領域を形成し作製した。線はCo線源により室温で1MR/hのレートにて250Mradまでの照射を行った。電子線照射は2MeVのエネルギーで110/cmまで行った。Amより放出される4.3MeVアルファ線を用いて電荷収集を測定した。またマイラー膜にてエネルギー減衰させることで1.8MeVアルファ線についても電荷収集測定を行った。その結果、250Mradまでの線照射,110/cmの電子線照射によっても電荷収集効率は低下しないことが明らかとなり、SiCの検出器としての優れた耐放射線性が明らかとなった。また、空乏層内でイオンが停止する1.8MeVアルファ線の場合は電荷収集効率が100%となることが見いだされた。
阿部 賢一郎*; 三好 芳洋*; 芦田 淳*; 脇田 和樹*; 大島 武; 森下 憲雄; 神谷 富裕; 渡瀬 星児*; 伊崎 昌伸*
Japanese Journal of Applied Physics, 44(1B), p.718 - 721, 2005/01
被引用回数:1 パーセンタイル:4.7(Physics, Applied)耐放射線性を有する宇宙用太陽電池の材料候補であるカルコパイライト系半導体の電子線照射により発生する結晶欠陥をフォトルミネッセンス(PL)法により調べた。試料はCuInS単結晶を用い、室温にて3MeV電子線を照射した。PL測定の結果、電子線の照射とともに自由励起子(1.535eV)及び束縛励起子(1.530eV, 1.525eV)のピーク強度が減少し510/cmの照射で未照射の1/30となった。また、ドナー,アクセプタペアのピークは510/cmの照射で未照射の1/3となった。これは照射により結晶性が低下したことで説明できる。一方、照射量の増加とともに0.73eVから1.20eV付近に欠陥形成に由来するブロードなピークが新たに出現することが見いだされた。このブロードピークの温度依存性を解析することで、このブロードピークが11個のピークの重ね合わせによることが決定された。さらにこれらのうち特長的な2つのピークについて、発光強度の温度依存性より活性化エネルギーを求めたところ0.07から0.09eVであることが判明した。
城 昭典*; 岡田 健治*; 玉田 正男; 久米 民和; 須郷 高信; 田崎 正人*
Chemistry for the Protection of the Environment 4; Environmental Science Research, Vol. 59, p.49 - 62, 2005/00
ポリエチレンで被覆したポリプロピレン繊維にスチレンとクロロメチルスチレンを電子線前照射により共グラフト重合した後、Arbuzov反応によりクロロメチル部位へのホスホン酸エステルの導入,スチレン部位へのスルホン酸基の導入,濃塩酸によるホスホン基の加水分解を経て、ホスホン基とスルホン酸基を有する2官能性繊維の金属イオン交換繊維を合成した。比較の目的でホスホン酸基のみを有する単官能性繊維も合成した。2官能性の繊維の金属イオン選択性は、両官能基が金属イオン選択性に寄与することにより、スルホン基,ホスホン基のそれぞれを有する単官能性イオン交換体の中間的な特性を示すことがわかった。カラム法におけるPb(II)の吸着において2官能繊維は単官能性繊維より大きな漏出容量を示し、空間速度が900hまでは漏出曲線の形状は通液速度の影響を受けないことから、迅速な吸着特性があることが明らかとなった。
Ekins-Daukes, N. J.*; 新船 幸二*; Lee, H. S.*; 佐々木 拓生*; 山口 真史*; Khan, A.*; 高本 達也*; 安居院 高明*; 上村 邦夫*; 兼岩 実*; et al.
Proceedings of 31st IEEE Photovoltaic Specialists Conference and Exhibition (PVSC-31), p.683 - 686, 2005/00
GaAs基板上に作製した格子不整合InGaAs及びInGaP太陽電池中の真性及び照射欠陥をDLTS法により調べた。InGaAs作製後に300Cから800Cでの熱処理を繰り返す熱サイクル処理(TCA)により真性欠陥準位であるH1中心及びE3中心が減少し、太陽電池特性が向上することが見いだされた。また、これらの太陽電池に1MeV電子線を照射し、発生する欠陥を調べたところ、照射量の増加とともにE1, E2, H1, H2中心が増加することが明らかとなった。
中林 正和*; 大山 英典*; Hanano, N.*; 平尾 敏雄; Simoen, E.*; Claeys, C.*
Proceedings of the 6th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Application (RASEDA-6), p.183 - 186, 2004/10
IGBTの電気特性の放射線劣化について、2MeV電子線の高温で照射を行い、評価した。電子線照射の実験は高崎研究所の電子加速器を使用し、フラックスは10e/cmで固定し、照射中の温度を室温, 100, 200, 300Cと変化させた。電気測定の結果、しきい電圧は照射温度100Cで部分的に回復し、飽和電圧の増加が100Cで最も顕著であることがわかった。また、この温度範囲では、放射線で誘起した界面準位による電圧シフトと固定電荷による電圧シフトの挙動が異なることが判明した。本ワークショップではこれらの違いについて解析し議論を行う。
岡田 浩*; 夏目 聡*; 若原 昭浩*; 吉田 明*; 大島 武; 神谷 富裕
Proceedings of the 6th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Application (RASEDA-6), p.147 - 150, 2004/10
カルコパイライト系の薄膜太陽電池の放射線劣化機構解明のために真空蒸着法やRFスパッタ法で作製した多結晶や単結晶CuInSe薄膜の陽子線及び電子線照射効果を調べた。加速エネルギー380keVの陽子線,2MeVの電子線を室温にてCuInSe薄膜へ照射した。その結果、陽子線,電子線ともに照射量の増加とともに電気抵抗が上昇した。抵抗上昇の温度依存性を測定し、比較したところ、電子線照射の場合、110/cm以下の照射では結晶粒界を越えて電流が流れるための活性化エネルギーが33meV減少したのに比べ、210/cm照射では53meVとなった。同様の変化は陽子線照射においても観測され、510/cmの照射により9.7meV低下することが見いだされた。
Ekins-Daukes, N. J.*; Lee, H. S.*; 佐々木 拓生*; 山口 真史*; Khan, A.*; 高本 達也*; 安居院 高明*; 上村 邦夫*; 兼岩 実*; 今泉 充*; et al.
Proceedings of the 6th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Application (RASEDA-6), p.87 - 91, 2004/10
高効率太陽電池への応用が期待される格子不整合系InGaP太陽電池(InGaP)へ1MeV電子線を照射し太陽電池特性の変化を調べた。その結果、310/cm程度の照射により、一時的に短絡電流が増加するという特異な振る舞いが観測された。この原因を調べるため分光感度特性を調べたところ、長波長側での光吸収が増加することが明らかとなった。さらに、キャリア濃度を調べた結果、キャリア減少率が1.3/cmであると見積もられた。このことより、310/cm程度の照射により太陽電池基板の多数キャリアが減少し、その結果、一時的な空乏層長の伸長が生じ、より深部(長波長の光により発生した)のキャリアが収集されて、短絡電流が一時的に増加しすると結論づけられた。